ケンタッキー・フライド・ムービー

コメディ

最近元気が無くて心配なジョン・ランディス監督による77年公開のオムニバス・コメディ。よくもまあここまでバカなこと考えて、かつ実行したものとつくづく感心するやら飽きれるやら。全体的に下品でエロでブラックでどーしようもない馬鹿映画なんだけど、実はこーいうの割とすっごく好きです。

中でも映画の3分の1を占める「燃えよドラゴン」のパロディの馬鹿馬鹿しさ、意味の無さは空前絶後。主人公が東洋人という一点を除いてブルース・リーに似ても似つかない中途半端なキャラなのもよし。明白に自由の女神が映ってる(しかもニュースか何かの転用)映像に「Hong Kong」とかテロップをつける潔さもよし。何でラストが「オズの魔法使い」なのか、とか考えたら負けだ!

あとはHOW TO SEX系のレコードのおまけで本物の屈強な大男が付いてくる話とか「感じる映画」を上映している劇場で実際に後ろから身体をまさぐる係員がいる話とか、具体例を挙げて行くとキリが無いのだけど、全体通して「アメリカ人ってホンっトバカだなー!」と心の底から思える作りとなっており、非常に素晴らしいです。いや、褒めてるんですよ、嘘じゃなく。

実際、こういった「バカみたいなこと」を全力でやってしまう感覚というか計算づくで馬鹿映画を作るセンスみたいなものは、日本のコメディ映画及びバラエティ番組ではなかなか見られないですよね。日本の笑いって、自信の無さの裏返しなのかどうしても「これって面白いと思うよね?」の「ね?」という押し付けがましい部分が妙に強調されて、結果内輪ノリで制作者側のみが楽しんでいるような寒々しい作品ばかりになってしまっているような印象を受けるんで(そうじゃない製作者も確かにいることはいるんですけど)ちょっとこの手のスタイルを見習って、開き直った笑いをゴリゴリ追求して頂きたいところです。もっともこういう偏った笑いしか無い状況というのもそれはそれで物凄くキモチワルイとか思ったりするわけですが。

ちなみにランディス監督による同系の作品としては「アメリカン・パロディ・シアター」(原題:AMAZON WOMAN OF THE MOON)が挙げられますが、そちらもまあ大体同じようなテイストなんで、そーいうの好きな人だけ見て頂ければと思います。完全に透明になったと『信じている』主人公が全裸で街へ繰り出して大暴れ(笑)したりする「透明人間 Jr」とか相当な名作です(たぶん)

ただ、コメディ作品には往々にしてありがちなのだけれど、元がどんなに良い作品でも字幕が古くさくなっちゃってダメダメということがしばしばありますね。止せばいいのに時事ネタや流行ギャグなんかを字幕に勝手に盛り込んじゃってるため、後々見てて背筋が凍りそうになったりします。「見てちょんまげ!」には心臓止まるかと思ったわ!(注)

※80年代に発売されたビデオ版。DVD版の字幕監修はみうらじゅん氏が担当とのことで、未見ですが割と期待できるかと。


The Kentucky Fried Movie
公開:1977年
制作:アメリカ
監督:ジョン・ランディス
出演: デヴィッド・ザッカー
ジェリー・ザッカー
ドナルド・サザーランド 他


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