ヒーロー志願のダメ人間3人組が悪漢に捕まったヒーロー(本物)を救い出し、最終的には世界全体の平和を守る、というあまりにもテキトーなストーリーのみ取り出すと、まるでX-MENをパロっただけの特にこれと言って語るべきことも無い凡庸なB級映画かと思われるでしょうが、まあ、その、概ねそんなアレです。演出次第では「早過ぎたキック・アス」になりかねなかっただけに余計残念な感じ。
必殺技が「怒ること」(しかも弱い)というダメダメな主人公を演ずるのはベン・スティラー。名作『ロイヤル・テネンバウム』の神経質な長男役でも妙にジャージ姿が似合っていて素敵でしたが、今作でもいい味出してました。怒り狂ってワイルドに咆えつつ全力で敵の車のエムブレム剥がすとか、割とセコい攻撃ばっかなあたりが個人的にツボ。以前から割と好きな俳優さんなんだけど、日本じゃあんまし人気無いよね(全世界的にか?)
他の登場人物としては、必殺武器がシャベルとスコップという「シャベルマン」(それってタダの土方のおっさんでは?)、英国人のくせにインドかぶれで特技がフォーク投げの「ブルー・ラジャ」、亡き父親の頭蓋骨が入ったマイボールを投げまくる「ボウラー」、殺人的なオナラしか取り柄の無い「スプリーン」等々。やがて映画は訳の分からない特殊能力者達が延々と登場し、全体の流れを無視して奇人変人大集合的色彩を帯びてゆくのでありました。大金を投入した割にハリウッドで全くヒットせず日本では劇場公開すらしなかったという事実も頷けるわな、これじゃあ。
しかしながら「廃墟にこもり、殺傷能力の無い兵器(笑)の開発に心血を注ぐマッドサイエンティスト」役でトム・ウェイツが出演している一点は見逃せないですね。相変わらず美味しいとこ持ってくなあ、おっさん。
Mystery Men | |
公開: | 1999年 |
制作: | アメリカ |
監督: | キンカ・ユーシャー |
出演: | ベン・スティラー ジャニーン・ガラファロー ポール・ルーベンス トム・ウェイツ 他 |
![]() ミステリー・メン [ グレッグ・キニア ] |
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